ぐったりしているカナデの体を拭い布団をかけてやった後、 俺も手早く自分の後始末をする。 そしてスルっと横に滑り込むと、強くなり過ぎないようにギュッと 抱きしめた。 睫を伏せているその俺と同じ顔をしみじみ見ながら、 胸が震えるような幸せを感じる。
元々俺達は一つだった。 「身体、辛くないか?」 優しく背中を擦りながらそう聞くと、カナデは少し掠れた声で 「ん、大丈夫。さすがに続けては無理そうだけどね〜。」 と、へらりと笑って答える。
「ヒビキ〜、明日映画見に行こうよ。せっかく母さんからチケット
確かに再婚後、俺達は二人で外出した事は1度もない。 「ん〜、俺は一日中ベットの中で過ごしてもいいけどな。」 俺がそう言うと、頬を赤くしながら俺を見上げる。 「もう〜〜!ヒビキってクールな振りしてエロエロ魔人なんだから!」 エロエロ魔人って…… 「……エロい俺は嫌い?」 少し傷付いた振りをして見せてやると、急にオロオロしだす。
「い、いや!そ、そんな事ないよ! 「……エロエロ魔人でも?」 「う、うん!当然!ヒビキがエロエロ魔人でも俺は全然大丈夫!」 「……じゃあ今からもう1回抱いてもいい?」 「もちろ…ん……って、あ〜っ!ヒビキ、俺をはめたなーーー!」
真っ赤になって怒りながら俺の胸をボカスカ叩いているカナデを、 「嘘嘘。今日はもう抱かないよ。明日は一緒に映画見に行こう。」
一緒に暮らし始め、俺に避けられている気がしてすごく傷付いていた ……そんなの全然知らなかったぞ?
「だ、だってヒビキが取られちゃいそうで……
懸命に言い訳する兄が可愛くて、抱きしめながら背中をポンポンと 「俺はカナデの、だろ?」
俺が笑ってそう言うと、真っ赤になって頷いた。
「カナデも俺の。
と言うと、俺の方を見上げ花が綻ぶように笑った。
2005/05/15 by KAZUKI
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